Linuxのスキルは一生モノ?
この記事では、サーバOSの代表とも言えるLinuxの勉強方法について紹介します。
Linuxの入門学習の手段として、この記事で紹介するのは4つ。
①本で学ぶ
②動画で学ぶ
③Webサイトで学ぶ
④スクールで学ぶ
Linuxは昔から今日に至るまで、さまざまなサービスやシステムで利用されている代表的なサーバOSの一つです。
Linuxの学習は、本来ITエンジニアであれば必須のスキルであるべきですが、実はエンジニアの中でも意外とできない人が多いんです。
ただ、Linuxのスキルは世界規模でみたとき非常に評価が高いことをご存知ですか?
TechRepublic Japanによれば、Linuxの技術スキルの価値は年収10万ドル(1千万弱)と推定されています。プログラミング言語と異なり、LinuxOSの技術は変えの効きにくいスキルです。
つまり、Linuxを学ぶことは世界中で働けるスキルを身につけることに違いません。
>> 『Linuxスキルを磨けば年収10万ドル?–調査結果が示す高需要の職種』TechRepublic Japan
この記事を読んでくれた方にとって、Linux学習が少しではかどれば幸いです。
読んで頂きありがとうございます。
簡単に私のプロフィールを紹介させて下さい!
Linuxの基礎知識を学ぼう
そもそも、Linuxについてあまり知らない方も多いかと思います。
ここでは簡単にLinuxについておさらいしていきましょう。
なお、Linuxについてより詳しく知りたい方は後述しています書籍やWebサイトを参照下さい。
Linuxとは?UNIXとは何が違う?
Linuxとは、スイスの当時大学院生だったリーナス・トーバルズさんという方が作成した、オープンソース(無料)のLinuxカーネルを基に作成されたOSの総称です。
WikipediaではLinuxについて、以下のように定義しています。
Linux(リナックス、他の読みは後述)とは、狭義にはUnix系オペレーティングシステムカーネルであるLinuxカーネルを指し、広義にはそれをカーネルとして周辺を整備したシステム全体のこと・・
『Linux』Wikipedia
ここでカーネルとUnixと言う言葉について補足しておきます。
カーネル・・OSの中の核(司令塔)のようなもの
Unix・・・・トーバルスさんがLinuxカーネルを作る際に参考にしたOS
ただ、どちらも一言では表し辛い言葉なのであくまでイメージくらいで今は問題ありません。
Linuxの大きな特徴はオープンソース(無料)だということ。
つまり、ソースコードが全て公開されていて、誰でも無料でコピー&変更できるということです。
現在では、さまざま企業や団体がそのソースコードを利用して、LinuxOSを作成・提供しています。
Linuxはコマンドを使って操作する
Linuxの操作は、基本的にコマンドを使って操作します。専門的な呼び方だとCLI(Command Line Interface)と言ったりします。
私たちが普段マウスを動かしながらアプリのアイコンをクリックしたりして操作することを、CLIの逆で、GUI(Graphical User Interface)と呼びます。
尚、LinuxにもGUIでの操作は可能です。ただ、Linuxでシステム管理する上で、コマンドでの操作の方が詳細に設定管理できます。
また、動きも軽量(CPU/メモリの消費が少なく済む)なので、実務上CLIが主流です。
Linuxは4種類がある
さきほども説明したように、Linuxと言う言葉は厳密にはLinuxカーネルを利用して構築されたOSの総称です。
Linuxカーネルを基に、現在さまざまな団体・企業がLinuxOSを作成・提供しています。
提供されたLinuxOSは、原則インターネットに公開され誰でも利用できるようになっております。こうしたLinuxOSはLinuxディストリビューションと呼ばれています。
Linuxディストリビューションには、大きく4種類のLinuxOSの系統に分類されます。
下記では4種類(Red Hat系・Debian系・Slackware系・独立系)の主要OSについて表でまとめています。
Linuxの入門学習においては、Red Hat系のCentOSを利用するのが無難です。CentOSは企業の社内システムやサービスで利用されている代表的なLinuxOSの一つです。
ちなみに、ディストリビューションの種類によって、OSを操作するコマンドが違ってきます。一旦は、Red Hat系のOSを学んでおけば問題ないでしょう。
最後にこの章のまとめをして終わりましょう。
Linuxの学習準備 〜検証環境を用意しよう!〜
今回紹介するLinux学習ですが、基本的に机上で学ぶスタイルが多いです。
もちろん知識をインプットすることは重要ですが、やはり実際にLinuxOSを操作する環境で学んだほうが理解が深まります。
Linuxを動かす検証環境は可能であれば用意してください。
検証環境の構築方法は2種類。
❶お持ちのPCで仮想環境を作る方法
❷AWSやGCP等のパブリッククラウド環境で構築する方法
本記事では2つの詳細な方法は割愛しますが、下記に参考URLを貼っておきます。そちらを参考にして検証環境を構築してみてください。
❶の参考サイトURL
>> 『VirtualBoxをWindows10にインストールしてCentOS 7の仮想マシンを作成する』
❷の参考サイトURL
>> 『AWS入門者向け 初心者が最初に理解すべきEC2とVPCの基本的な用語解説』
Linux勉強開始前に考えてほしい!3つのこと
Linux学習に限らずですが、私個人として何かの勉強を始める前に大事にしていることが3つあります。
①学習の目的を明確にする
②学習期間に期限を設ける
③学習の到達目標を決める
①学習の目的を明確にする
学習の目的を明確にすることは、学習をする上で最も重要なことです。
なぜLinuxを学ぶのか?例えば、業務で必要だからとか、インフラエンジニアになりたいから。
より具体的な目的を持つことが学習のモチベーション向上にもつながります。
②学習期間に期限を設ける
勉強に期限を設けることです。私個人の経験上、終わりを決めないと、精神的にだらだらしてしまい、結局何も身に付かないことが多々あります。
③学習の到達目標を決める
勉強の到達目標は、何をもって勉強したといえるのか。いわば学習のゴール設定です。例えば、LPIC Level1を取得する、Linuxに関する本を2周する、サーバを実際に作ってみる等。
Linuxが学べる4つの学習手段
Linuxの学習手段はたくさんありますが、まとめると4つに集約されるのではないでしょうか?
あなたの学ぶ目的や期間、ゴールに応じて、最適な手段を考えてみてください。
①本で学ぶ
本で学ぶメリットは、情報量が多く体系的に整理されていることです。
ここでは、Linuxの入門書の位置付けとして、初学者におすすめしたい本を5冊紹介します。
1.まんがでわかるLinux シス管系女子
別記事でも紹介している、個人的に一押しの1冊。
中身は漫画ですが、侮ることなかれ。
手違いで情報システム部に配属されたIT未経験の新卒の女の子が、Linuxの基本的なCLI操作からサーバ管理まで幅広く学んでいく物語。
シリーズ1〜3まで刊行されており、Amazonのレビュー評価は平均4.5。
読み物としても単純に面白いですし、ストーリー仕立てなので読んでいてシチュエーションがイメージしやすいです。ちなみに、メルカリでは定価の60%〜80%で取引されてます(本としては高単価)。
私も新卒1年目に読んで勉強しました。『まんがでわかるLinux シス管系女子』、おすすめです。
2.新しいLinuxの教科書
Linuxについて、”超”がつくほど丁寧に、そしてわかりやすく説明している入門書。
情報量も多いので辞書としても手元に置いておける、長く付き合える1冊です。
Amazonの評価レビューも見ても、本の内容に対する悪いコメントが見当たらないくらい、『新しいLinuxの教科書』はAmazonの辛口レビュアーにも認められている良書です。
3.Linux教科書 LPICレベル1
LPICとはLinux認定資格のこと。この本はLPIC学習者の中では、通称小豆本と呼ばれているくらい、長く親しまれています。
LPICレベル1は、LPICの資格のエントリーレベルであり、Linuxの基本的な操作スキルを身に付けることを合格水準としています。
この『Linux教科書 LPICレベル1』は資格の対策本ですが、中身はLinuxの概要・歴史から基本的なコマンド操作まで幅広く解説されており、初学者におすすめできる1冊です。
4.Linux標準教科書
『Linux標準教科書』は、LPI-Japanが作成したLInuxの入門書です。情報量としては、あまり多くないですが、その分コンパクトにまとめられており、1時間もあれば1周できます。
kindleでは300円で販売されておりますが、LPI Japanのサイトからは無料でダウンロード可能。
Linuxについて学ぶ最初の1冊としておすすめです。
5.CentOS8 実践ガイド [システム管理編]
CentOS8は、2019年に公開された現在CentOSの最新バージョンのLinuxOSです。
企業の多くは、まだCentOS7や6を使っていますが、今後サーバのリプレースによってCentOS8の利用が主流になっていくことでしょう。ちなみに、CentOS8はこれまでのバージョンとはコマンド体系が一部変わっています。
『CentOS8 実践ガイド』は、そんなCentOS8の基本操作から管理運用に必要な知識をまとめられた1冊です。
尚、この『CentOS8 実践ガイド』はkindle unlimited利用者であれば、誰でも無料で読むことができます。
本を買うなら電子書籍が断然お得
電子書籍は、紙の本よりさまざまなメリットがあることをご存知ですか?
ちなみに、私は電子書籍サイト大手のhontoを愛用しています。
hontoを愛用している理由は何といっても定期的(週1回程度)に15~25%OFFクーポンを発行してくれるところ。
毎月5千円以上本を買う私にとっては非常に嬉しい!
②動画で学ぶ
動画で学ぶメリットは、視覚に理解しやすく、それでいてテンポよくサクッと学べるところ。
動画教材を扱う有名なサービスとしてUdemyがあります。
Udemyでは、さまざまな分野について学べる動画コンテンツのプラットフォームです。PCはもちろんスマホからも学習できます。
ここでは、UdemyでLinuxが学べる人気の講座を3つ紹介します。
1.【5日でできる】はじめての Linux 入門(LPIC Level1対応)
2.Linuxコマンド、シェルスクリプト、データベース、ネットワーク 、セキュリティを覚える講座
3.はじめてのLinuxサーバー構築運用入門
1.【5日でできる】はじめての Linux 入門(LPIC Level1対応)
【5日でできる】はじめての Linux 入門(LPIC Level1対応)では、Linuxの仮想環境の構築から基本的なLinuxのコマンド操作について5日間で学べるコンテンツです。
Linux認定資格であるLPICにも対応したカリキュラムとなっています。
タイトル上は5日間と書いてありますが、動画コンテンツ自体は6.5時間程度。半日集中すれば十分1周可能なボリュームなので、反復学習も最適です。
2.Linuxコマンド、シェルスクリプト、データベース、ネットワーク 、セキュリティを覚える講座
Linuxコマンド、シェルスクリプト、データベース、ネットワーク 、セキュリティを覚える講座では、フリーランスエンジニアとしても活躍している講師が実際に活用している、Linuxの操作に必須のコマンド操作について解説しているコンテンツです。
このコンテンツのポイントは、シェルスクリプトの解説が非常に丁寧かつ詳細であること。
シェルスクリプトとは、Linux上で作る小さなプログラムのことです。Linuxのコマンドを連続して実行させることで反復作業を自動化させたりすることができます。
私自身も実務で日常的につくるくらい、シェルスクリプトの作成スキルはエンジニアとして重要なスキルです。
また、シェルスクリプトで学んだ条件分岐や配列の知識はプログラミングのスキルにも応用することができます。
3.はじめてのLinuxサーバー構築運用入門
はじめてのLinuxサーバー構築運用入門は、Linux操作を基礎から学習して最終的にWordPressのブログを構築して公開することを目的としたコンテンツです。
Linuxを初めて学ぶ方が、Linux操作を基礎から学習して、コースを修了するころには、さくらのVPS(バーチャルプライベートサーバ)を設定して、独自ドメインのhttps対応オリジナルブログをWordPressを使って公開できるようになるコース。
Linuxの検証環境構築から始まり、実践演習としてインターネットに公開するサーバを構築を行う、2段階の構成で学ぶことができます。
③Webサイトで学ぶ
Webサイトで学ぶメリットは、情報量がコンパクトにまとまっており、検索性が高いところ。
ここでは、Linuxが学べる学習サイトについて2つ紹介します。
1.エンジニアの入り口
2.Ping-t
1.エンジニアの入り口
『エンジニアの入り口』は、IT企業の研修や個人向けのスクールを運営するリナックスアカデミーが運営しているサイトです。
現役講師が運営していることもありますし、一つの記事自体はコンパクトなので、さらっと読むことができますね。
2.Ping-t
『Ping-t』は、さまざまなIT資格のWeb問題集です。Ping-tでは、Linux認定資格であるLPICやLinuCの問題を学ぶことができます。
問題ベースですが、各問題に対して詳しく解説してくれています。
LPICやLinuCの取得を考えている人にとっては、効率的にLinuxを学ぶことができます。
④スクールで学ぶ
スクールで学ぶメリットは、すぐに人に聞ける環境でじっくり学ぶことによって、理解を深めることができること。
周囲に教えてくれる人がいる環境は効率的な学習に繋がります。
何よりLinuxを「理解する」ことで、学んだ知識を実践的に生かすことが出来ます。
独学が不安な方や周囲に教えてくれる人がいない方はスクールがおすすめです。
スクールといえば有料のところが大半ですが、ProEngineerなら完全無料でLinuxを学ぶ環境が用意されています。
そもそもLinuxを学ぶことができるスクール自体多くありませんが、あったとしても10万〜30万程度費用が必要な所が大半ですよね。
ProEngineerなら学習面はもちろん就職・転職面もサポートしてくれます。
もちろん「ちょっと話を聞いてみたい・・」ってだけでも全く問題ありません(執拗な勧誘は一切なし)。
尚、別記事では今回紹介したProEngineerの他、Linuxが学べるスクールについて詳しく比較・紹介しています。
検討している方はこちらもチェックしてみて下さい。
やる・やらないはあなた次第
簡単ですが、Linuxの勉強方法について簡単にまとめてみました。学習を始めるあなたの学習期間や目的に応じて、最適な手段を選択してみてください。
学習のゴール設定に迷ったら、Linuxの認定資格であるLPICの取得をお勧めします。
LPICではLevel1〜3まで用意されており、初学者であればLevel1の取得がおすすめです。
LPICの勉強法については、別記事で詳しく紹介しています。興味がある方はこちらもチェックしてみて下さい。
皆様のLinux学習に少しでもお役にたてれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。