資格はインフラエンジニアにとって重要な指標
今回は未経験からインフラエンジニアとしてキャリアをスタートさせたい方に是非取得をおすすめたいIT資格4選を紹介します。
私自身、新卒で未経験からSES企業へ入社してインフラエンジニアとして働いてきました。現在はIT企業で社内SEとして働いています。
特に、新卒で入社したSES企業で培った経験や現場感覚も踏まえ、尚且つ昨今のIT業界の動向も織り交ぜながら取得をおすすめしたい4つの資格を選びました。
それでは、4つの資格について解説していきましょう!
インフラエンジニアってそもそもなに?
インフラエンジニア とは、サーバやネットワークといったITインフラの管理を生業とするエンジニアの総称です。
「インフラエンジニア」Wikipedia
インフラエンジニア(IT infrastructure engineer)とは、企業の情報システムを構築するITエンジニアのカテゴリの一つで、主にIT基盤(インフラストラクチャー)の構築を担当する職種・・
なお、インフラエンジニアの【種類・仕事内容】については別記事で解説しています。
気になる方は、こちらもチェックしてみてください。
4つの資格を選んだ理由
インフラエンジニアに求められる役割は多様化している現代。
そんな中でもサーバとネットワークのスキルは、インフラエンジニアなら最低限求められてくるスキルです。
dodaが発行している『職種別マーケットレポート〜ITエンジニア〜』でも、サーバエンジニアやネットワークエンジニアの求人数は安定した需要があります。
サーバにもWindowsやLinux等ありますが、Linuxサーバの構築スキルへの需要はWindowsよりも断然高いです。
【LPIC Level1】は、そんなLinuxサーバの基本構築スキルを身に付けられる資格です。
【CCNA】は、ネットワークの基礎を身につける上で最適な資格です。IPアドレスの計算からダイナミックルーティングの運用スキルまで、幅広く学ぶことができます。
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また、最近ではこうしたサーバやネットワークをパブリッククラウド上で構築する機会が増えています。
つまり、サーバやネットワークに加え、クラウド基盤でのサービスを駆使した構築スキルが求めるのです。
米国のIT研修大手が調査したレポート『稼げるIT資格はどれ?―米グローバルナレッジが2020年版のトップ15を発表〜HRZine〜』では、AWSやAzure、GCPの資格が上位にランクインしています。
【AWS SAA】は、AWSで主要サービスでのサーバやネットワーク環境等の構築スキルを身に付けることができる資格です。
さきのレポートでは第2位(前年4位)にランクインしています。
【AZ-900】は、最近AWSを追随しているAzureの基本操作や主要サービスの基礎を学べる資格です。
さきのレポートでは第11位(前年ランク外)で注目度の高さが伺えます。
インフラエンジニアとして未経験者におすすめな4つの資格
以下では、各資格毎にお勧めしたい理由とともに資格概要について紹介します。
それぞれ別記事で各資格ごとに詳しい試験概要や勉強法を紹介しています。
LPIC Level1
試験名称 | LPIC-1認定Linux管理者 |
試験概要 | LinuxOSの基本概念 基本的なコマンド操作やOS初期設計 ネットワーク構成 |
認定条件 | 101/102試験の合格 |
受験料 | 30000円+税(1試験15000円+税*2) |
ボーダー | 500点(正答率60~65%) |
形式 | 選択問題、入力問題 |
期限 | 5年間 |
前の現場で感じたことですが、Linuxサーバを理解して触れる人って意外と少ないです。
Windows Serverと異なり、CLI操作運用がメインのLinuxサーバは毛嫌いされやすい。
ただ、LinuxのCLI操作はLinuxサーバでの操作は勿論、スイッチやルータ等のNW機器での操作にも慣れることができます。
CLI操作の耐性をつけることができる点でも非常におすすめな資格です。
CCNA
試験名称 | CCNA(Cisco Certified Network Associate)試験 v1.0(200-301) |
試験時間 | 120分 |
問題数 | 100問前後 |
有効期限 | 3年 |
合格点 | 825/1000点(75%〜) |
受験料 | ¥33,600 (税別) |
試験範囲 | ネットワークの基礎 20% ネットワーク アクセス 20% IP コネクティビティ 25% IP サービス 10% セキュリティの基礎 15% 自動化とプログラマビリティ 10% >> 詳細はcisco公式サイトのCCNA新試験の試験範囲詳細 |
問題形式 | 選択 / 入力 / シミュレーション / シナリオ / ドラック&ドロップ >> 詳細はcisco公式サイトの試験チュートリアル |
世の中にはシスコ以外のNW機器も存在しますが、それでもCCNAが人気な理由は、シスコ機器のシェアとコマンド体系の汎用性です。
>> 『IDC、2019年国内ネットワーク機器市場はシスコシステムズがシェア51.6%でトップと発表』IoT
大手企業のほとんどは、シスコ機器を利用しています。
私の前職は大手SIerのデータセンターでしたが、そこのNW機器の9割以上がシスコのルータやスイッチでした。
また、他社のNW機器のコマンド体系はシスコのコマンド体系と非常に似ていることが多いです。
CCNAでの学んだスキルは、シスコだけでなく他社のNW機器の操作にも活かすことができます。
AWS SAA(ソリューションアーキテクトアソシエイト)
試験名称 | AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト (SAA-C02) >> 試験詳細は公式サイトへ |
試験時間 | 130分 |
問題数 | 65問 |
問題形式 | 択一・複数選択 |
受験料 | ¥15,000(税別) |
ボーダー | 720/1000点 |
試験範囲 | レジリエントアーキテクチャの設計:30% 高パフォーマンスアーキテクチャの設計:28% セキュアなアプリケーションとアーキテクチャの設計:24% コスト最適化アーキテクチャの設計:18% |
AWSはいまやパブリッククラウドのトップシェアを持つクラウドサービスです。
>> 『世界IaaS市場、首位AWSのシェアは45% 2位Azureは18% 3位Alibabaは9%』ITmedia
おそらく今後さらにパブリッククラウドの構築需要が増えていきます。
さきのレポートでは第2位(前年4位)にランクインしており、転職市場においても有利に働く資格といえます。
AWSでの基本的な構築スキルは、数年後にはインフラエンジニアとして求められるスキルとしてデフォルトスタンダードとなっていくことでしょう。
AZ-900(Azure Fundamentals)
試験名称 | Microsoft Certified: Azure Fundamentals (公式サイトはこちら) |
受験料 | ¥12,500 |
試験時間 | 60分 |
問題数 | 44問 |
合格ライン | 700/1000点(70%) |
試験範囲 | 1クラウドの概念の理解 2コアなAzureサービスの理解 3セキィリティ/プライバシー/コンプライアンス/信用についての理解 4Azureの料金プランとサポートについての理解 |
AZ-900は、Azure認定資格の中では、一番簡単な資格です。
AWSと比べると後発なAzureですが、最近ではAWSの飛ぶ鳥を落とすほどのAzureのシェアが上がってきています。
それに伴い、Azureを理解して環境構築ができるスキルを持ったエンジニアの需要は確実に増えます。
さきのレポートで第11位(前年ランク外)を取ったのは伊達でないですね。
また、この資格はAzureの無料Webセミナーを受講することで無料受験できるバウチャーがもらえます。
>> 『インフラエンジニアから社内SEへの転職は結構向いてると思う』note
エンジニアに資格は不要?
興味のある資格は見つかりましたでしょうか?
最後に、エンジニアと資格の関係性について一言。
よく「エンジニアに資格はいらない」というふうに言われたりします。
たしかに、「資格を取ること=仕事ができること」は必ずしもイコールではありません。
ただ、資格を持っていると周りから意欲的だと評価されやすい、仕事のチャンス・転職のチャンスといった、キャリアアップに繋がることは確かです。
特に未経験としてエンジニアになりたての方は、経験を積みたくても中々任せられないことに歯がゆく感じることもあると思います。
資格は経験を積むための切符です。是非取得して次のステップアップを足がかりにしていきましょう!
>> 『インフラエンジニアは資格で評価されやすい』note
最後まで読んでいただきありがとうございました。