インフラエンジニアは将来安泰?
今回は、現役の方はもちろんこれからインフラエンジニアを目指す方が気になるであろう、インフラエンジニアの将来について調べてみました。
はじめにこの記事の結論から言っておきます。
安泰です。インフラエンジニアという職種が将来なくなることは考えにくいです。
まあ安泰だということは、他のブログやサイトでも散々言われてきてはいること。
重要なのはその理由。なぜ、そう言えるのか?
それを裏付ける3つの要因について調べてきました。早速解説していきます。
読んで頂きありがとうございます。
簡単に私のプロフィールを紹介させて下さい!
将来安泰な3つの要因
インフラエンジニアが将来安泰と言える要因は以下3つ。
①DXによるIT投資の拡大
②IT業界全体での人材不足
③インフラはAIでは再現しづらい
それぞれどういうことか詳しくみていきましょう。
①DXによる企業のIT投資拡大
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、企業ひいては社会の経済活動にIT活用が進むことで、組織や人々の生活を根本から変革ていくIT革命のこと・・
『【DX入門編①】今更聞けないデジタルトランスフォーメーションの定義とは?』FUJITSU JOURNAL
経済産業省が2018年に公開した『DX 推進ガイドライン』でも取り上げてられているように、いま国内産業全体で企業活動のIT促進化が行われています。
企業のIT活用が増えるほど、ITエンジニアの需要は増えていきます。
現にDODAが四半期ごとに公開しているITエンジニアの転職市場動向レポートでも、サーバエンジニアやネットワークエンジニア等のインフラ関係の求人数は、コロナ渦の期間(2020年4月〜8月)を除き上昇傾向にあります。
②IT業界全体での人材不足
経済産業省が2019年に発行した『IT 人材需給に関する調査』によれば、2030年におけるIT人材不足は少なくとも約16万人。
最大79万人とも言われています。
また、DODAが公開している求人倍率の推移からも、IT業界全体の求人倍率(求職者1人あたりで何個求人数があるかを示す割合)は他業界と比べて4〜5倍近く高い数値を誇っています。
①で述べたDXによる企業のIT投資拡大と合わせて、今後IT業界は盛り上がっていく反面、慢性的なエンジニア不足にある可能性が非常に高まるのです。
③インフラはAIでは再現しづらい
今さまざまな業界で、AIやRPAによる業務の自動化が進められてきています。
ただ、インフラエンジニアとしての業務をAIやRPAで自動化することはできません。
例えば、サーバを物理の状態から構築して、社内や社外のネットワークに接続させるには、人の手と足が必要ですよね。
確かに最近は、クラウド上での仮想環境でサーバやネットワークの構築が可能になりました。
それでも、サーバやネットワーク、データベース等の複数のインフラ要素を組み合わせてシステムを構築することをAIやRPAはできるでしょうか。
今後の技術の発展でその可能性はあっても、細部の設計や構築にはインフラエンジニアによるスキルが求められてくるのです。
今後求められるスキルとは?
将来安泰と言っても、今後インフラエンジニアとして求められるスキルは当然変化していきます。
ここでは、今後インフラエンジニア として重要性が高まるスキルについて紹介します。
クラウド
最近はAWSやAzureといったパブリッククラウド環境でサーバやネットワークを構築する機会増えてきました。
IDC Japanの調査によれば、企業の過半数以上はまだオンプレでサーバを運用していると言われており、オンプレ利用者の4割以上が今後クラウドへの移行を予定しているとのこと。
また、パブリッククラウドでは、さまざまなマネージドサービスが用意されてます。
こうしたサービスも活用しながらシステム構築を進めていくことも今後求められてくるスキルです。
コーティング(プログラミング)
インフラエンジニアもコーディングスキルが求められる時代に入っています。
ただ、私が言いたいのは、良くイメージされる開発言語でのプログラミングスキルではありません。
CLI操作やサーバの構成管理ツールにおけるコード化(CI化)に対応出来るスキルのこと。
例えば、AWSやAzureでの構築も、今はGUIよりCLIでやったほうが効率的です。
サーバの設定変更も、Ansibleやchef といったコマンドベースのスクリプトファイルで事前に設定変更箇所を定義して管理することで、一括変更ができます。
もちろん、言語を用いてプログラム開発を求められることもあります。
言語はともかく、簡単なスクリプト位はかける方が望ましいですね。
セキュリティ
近年セキュリティインシデントによる情報漏洩が増えてきています。
2018年に発行されたJNSAの調査によれば、インシデント件数は443件、被害総額は2,684億5,743万円と言われています。
年々重要度を増している『セキュリティ』ですが、一言では語れないほど大きなくくりですよね。
「サーバ」「ネットワーク」「クラウド」「エンドポイント」「ファイアーウォール」
上記で挙げたように、いろんなインフラ分野に横断して考える必要があります。
全ての分野のセキュリティに精通するのは難しいですが、1分野のセキュリティに詳しくなるだけでも需要はあります。
先のDODAのレポートからも、セキュリティエンジニアの需要の高さを伺えます。
インフラエンジニアの平均年収は?
インフラエンジニアは、将来安泰といえど給料が安ければ、誰もやりたくはないはず。
ここではインフラエンジニアの平均年収について調べてみたので紹介していきます。
平均年収は約524万
さまざまな職種の給料について調査している『求人ボックス給料ナビ』によると、インフラエンジニアの平均年収は524万。
ただし、あくまで平均なので、住む地域によって多少前後してきます。
それにしても意外と高いですよね!同サイトの調査ではITエンジニアの平均年収が503万となっています。
そう考えると、インフラエンジニアはエンジニアと言う職種の中では高い職種であると言えます。
今後年収を上げるために必要なこと
インフラエンジニアとして手っ取り早く年収を上げるなら、今の企業から転職することです。
ただ、転職するにも企業が求めるスキルでないと転職できませんよね。
最近の求人内容から、今後求められるスキルについて4つピックアップしてみました。
下記の記事では、これら4つのスキルについてより詳しくに解説しています。よければこちらもチェックしてみください。
未経験からインフラエンジニアになるには?
これからインフラエンジニアをめざす方もいるでしょう。
未経験からインフラエンジニアを目指すなら、最初はサーバやネットワークから学ぶことをおすすめします。
とはいうものの、肝心な学び方って・・?
ここでは初学者でも十分独学可能な3パターン(本・資格・スクール)での方法について紹介します。
本で学ぶ
独学する上で一番着手しやすのが本による学習です。
ただ、インフラ分野の入門書は数が多くて、どれを選べば良いのかわからなくなりますよね。
私自身、新卒でSES企業に入った時にもそうでした。
最近は、社内で後輩にインフラ分野を教える立場でもあり、改めてインフラ分野の入門書について調べてみました。
下記記事では分野ごとに12冊紹介しています。
これから学ぶ分野で気になる本があれば、是非チェックしてみて下さい。
資格で学ぶ
資格学習は未経験からインフラエンジニアを目指す上で有益の学習方法です。
資格の場合は、単に本を読むのではなく、受験して合格するという明確なゴールがあるので、独学に非常に有益です。
インフラエンジニアならサーバやネットワークからの学習がセオリーです。
サーバならLinux認定資格であるLPIC Level1、ネットワークならcisco認定資格であるCCNAの取得がおすすめ。
尚、下記記事では実際に私自身も取得した経験も踏まえて、インフラエンジニアとして未経験者におすすめの資格をまとめました。
さきほど紹介したLPICやCCNAの勉強法についても紹介しています。
これから資格取得を目指している方は、是非一度読んでみてください。
スクールで学ぶ
なお、完全な独学が不安という方は、スクールに通って学ぶこともおすすめです。
スクールにも有償や無償とさまざま。
下記記事では、サーバOSの代表でもあるLinuxやその認定資格であるLPICが学べるスクールについてまとめています。
独学だけではなく、わからないところは人に聞きながら学習を進めたいという方は、是非スクールでの学習も検討してみてください。
中には無料で学べるスクールもあります。
インフラエンジニアのキャリアパスは?
インフラエンジニアとして代表的な職種といえば、サーバエンジニアでありネットワークエンジニアですよね。
ただ、インフラエンジニアとして今後キャリア形成していく中でステップアップするためには、サーバやネットワークプラスアルファなスキルを持つ必要があります。
ここでは、インフラエンジニアのネクストキャリアとして、求人サイトの業種としても紹介されている3つの業種を紹介します。
クラウドエンジニア
クラウドエンジニアは、最近注目されているエンジニアの1つですね。
>> 『クラウドエンジニアの需要は高い!必要なスキルや年収、将来性を解説』PASONA TECH
クラウドエンジニアとは、主にパブリックなクラウド環境でサーバやネットワーク等を構築するエンジニアです。
ここで、パブリッククラウドとはAWS、Azure、GCP等を指します。
特に最近は、パブリッククラウドでの需要が伸びていますね。
パブリッククラウドでは、さまざまなマネージドサービスが用意されてます。
それをうまく活用できるもクラウドエンジニアとしても重要なスキルです。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアとは、ITインフラの様々な分野のセキュリティ対策を行うエンジニアです。
セキュリティという言葉は非常に広い意味があります。
セキュリティエンジニアの代表的な仕事の一つは、ファイアーウォールやEDRの管理です。
ファイアーウォールとは、主にLAN環境とインターネット環境のちょうど中継する箇所(ゲートウェイ)に設置されます。
そこで、パケットフィルタリングと呼ばれる、IPアドレスやポートによって中(LAN)から外(インターネット)への通信を許可/ブロックしています。
EDR(Endpoint Detection and Response)とは、PCに入れる小さなファイアーウォールみたいなものです。ファイアーウォールよりも、さらに細かい単位で制御が可能です。
Endpoint Detection and Responseとは、コンピュータシステムのエンドポイントにおいて脅威を継続的に監視して対応する技術である。
『EDR』Wikipedia
この他にも、「サーバのセキュリティ」や「ネットワークのセキュリティ」など、ITインフラのさまざまな分野を横断して考えるのが、セキュリティエンジニアとして求めらる役割です。
社内SE
社内SEとは、一般的に会社(社内)が利用するシステムを構築運用するSE(システムエンジニア)のことを指します。
ちなみに、所属部署が情報システム部門に属することが多いことから「情シス」とも呼ばれたりしますね。
SE(システムエンジニア)とは日本において情報システム関連の業務に従事する者を指します。
システムエンジニア「Wikipedia」
社内SEの仕事内容は、会社規模や環境にもよりますが、非常に幅広いです。
尚、詳しい社内SEの仕事については下記記事で紹介しています。よければこちらもチェックしてみてください。
将来は安泰、だが油断は大敵!
インフラエンジニアの将来性について、簡単ですが紹介させていただきました。
先程記載したように、インフラエンジニアとして求められるスキルは常に変化していきます。
将来は安泰だからといって、今のスキルだけに満足・固執している人の未来は暗いです。
新しい技術であればスタートは同じなので、未経験の人のほうが成長意欲や成長率という意味でむしろ有利かもしれません。
インフラエンジニア限らず、エンジニアは常にスキルアップが求められてきます。
それが出来れば、どんな時代でも生き残ることができるはず。
最後まで読んで頂きありがとうございました。