はじめに
SESからエンジニアをスタートした方であれば、一度は考えるであろう社内SEへの転職。
まさに私がそうでした。
今回は、SESから社内SEへ未経験から私自身の経験を踏まえながらも、未経験から社内SEへ転職するために準備したことをまとめてみました。
新卒でSES企業に入社しインフラエンジニアとして働いていました。いわゆる1人客先常駐で、インフラエンジニアとして顧客提供サービスのサーバやNWに関わる運用業務を行なっていました。
社会人3年目の春、転職活動中に偶然知ったのが社内SEという仕事。これから詳細に説明させていただきますが、この記事でお伝えしたいことは4つです。
それでは詳しく解説していきましょう。
読んで頂きありがとうございます。
簡単に私のプロフィールを紹介させて下さい!
社内SEって普段どんな仕事をしてるの?
社内SEになりたいと漠然と思ったものの、そもそも社内SEの仕事って正直イメージ湧かないですよね。
よくイメージされるのが、PCキッティングしている人、社内でITに詳しい人、IT周りの便利屋とか・・・
上記の例は決して間違っているわけではないですが、実際働いてみると、結構色々やっているんです。
まずは社内SEの代表的な業務内容を7つに分けて簡単に説明します。
1.ヘルプデスク
・社内ユーザからの問い合わせ対応
・基幹系(労務・経理)や業務系(販売管理)のシステム管理
・ADやグループウェア等の社内システムのユーザ管理
2.社内システム運用
・社内ユーザからの問い合わせ対応
・基幹系(労務・経理)や業務系(販売管理)のシステム管理
・ADやグループウェア等の社内システムのユーザ管理
3.社内OA機器の管理
・PCやモニタ、スマホの発注〜在庫管理
・PCのキッティング(初期セットアップ)
・MDM管理
4.社内ITインフラ基盤の整備
・基幹系システムのサーバ運用
・その他サーバ(AD/ファイルサーバ等)運用
・社内NW(無線/有線)の管理
5.社内セキュリティ対策
・エンドポイント型セキュリティの管理
・ファイアーフォールの運用
・GPOやフォルダアクセス権の管理
・社内ユーザのセキュリティ教育
・オフィスやビルの入退室管理
6.IT監査対応
・PマークやISMSの取得対応
・内部統制の整備(上場企業の場合)
・IT監査対応(上場企業の場合)
7.その他
・会社移転・増床対応
・電話回線の管理
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簡単ですが、社内SEの仕事について7つ紹介してみました。もちろん会社によってやる・やらない仕事もありますが、大体この7つはどの企業の社内SEでも行う業務です。
転職希望者が気になる!5つの疑問
社内SEの業務内容を一通り紹介させてもらいましたが、イメージはつきましたでしょうか。
ここからは、未経験から社内SEへの転職を希望されている方がきっと知りたいはず!
な疑問について、5つのQ&Aに纏めました。
一つずつ確認していきましょう。
❶社内SEに向いている人は?
❶最低限のコミュ力がある人
理由:シンプルに社内SEの仕事は他部署との関わりが多いので。
❷器用貧乏な人
理由:いろんなITスキルを持った汎用的な人のほうが向いてます。社内SEは、少人数で複数の社内システムをみたり、インフラ面を管理します。極みきれてないけど一通り触れます、と言う人がGOOD。
❸説明が上手な人
理由:社内のITリテラシーが高くない方へITに関わる教育機会もあるので(VPNの繋げ方とかetc)、噛み砕いてわかりやすく説明できる人が望ましいです。
❷未経験から社内SEの転職は不利?
不利ではない。むしろ未経験から社内SEになる人の方が大半。(だって新卒で社内SEやりたいって人いる?笑)
❸企業の規模や業種によって情シスに求められる役割が異なる?
ポイントは内製化の有無にあり。
内製化企業で求められる役割は、
『手を動かせる人』
非内製化企業で求められる役割は、
『人を動かせる人』
内製化とは、自社で社内システムやITインフラ面を自分たちだけで管理していること。中小企業やIT系の企業は多い傾向です。
逆に大手企業や非IT系の企業になると、組織規模が大きくなることで、社内システムも大規模になります。単純に人手が不足してきたり、既存メンバだけではスキルレベルが不足してきます。
そのため、業務の一部をSIerやSESにお願いして一緒に仕事をする場合が出てきます。
よって、自社開発企業やIT企業といった内製化している企業の社内SEであれば、実践的な作業スキルが求められます。
一方で、大企業や非IT企業に多い非内製化企業の社内SEであれば、他会社(SIerやSES)のメンバー育成や管理といったPM的なスキルが求めれてきます。
❹持ってると有利なスキルや資格は?
有利なスキルなら・・・
❶PM(プロジェクト管理)能力
❷インフラ系スキル(サーバやNW)
❸状況判断力
有利な資格なら・・・
❶インフラ系(LPICやCCNA)資格
❷DB(SQL)系資格
❸WindowsServer系(MCP)資格
有利なスキルのうち特に重要なのは❶PM(プロジェクト管理)能力。
社内SEの仕事は自分で自分のプロジェクトを管理することも多いです。❶のようなスキルは望ましいですね。
有利な資格でいうと、やはりインフラ系の資格を中心としたスキルが求められます。
私自身もそうでしたが、インフラエンジニアのキャリアアップの選択肢として社内SEは転職しやすいと感じます。
❺社内SEは楽って聞くけど実際どうなの?
楽ではない。ただ、さっきの内製化の話があったように、会社規模や業種によって求められる役割が異なってきます。
恐らく楽だというイメージは、社内SEが属する情シス部門の業務をSIer等の外部に委託してるというイメージから来ているのかもしれません。
たしかに、ある程度会社規模が大きいと社内のメンバーのノウハウだけでは管理しきれず、外部に任せるケースもあります。ただ、それは大企業の一部の話です。
むしろ中小企業は人手不足で困っているところが多いくらい。コロナの時期なんて、情シスはコロナ対応で大忙しのはず。
転職前の準備すること
ここからは未経験から社内SEへ転職する前に準備しておくべきことを纏めてみます。
といっても特別なことはありません。最低限準備したことは2つ。
①綿密なスキルの棚卸し
これは社内SEの転職関係なくですが、自分のスキルを可視化することは重要な準備です。
めんどくさがらず、自分がやってきた業務をまずは書き出してみましょう。
過去を振り返ると苦労した思い出や意外な発見があったりして意外と面白いです。
私なりの工夫として、職務経歴書に書く際は、単に経歴やスキルを羅列するというだけではなく、その経歴やスキルが応募企業にどうマッチするのかを意識して書きました。
企業側の人事や実際に働くの人から見て「一緒に働くイメージを持ってもらえるかどうか」が一つ重要なポイントだと思います。
そのためにも、キャリアの棚卸しは時間をかけてでも丁寧に行うべきです。のちの面接での話のネタ探しが楽になります。
②キャリアビジョンを明確にする
私を面接してくれた今の上司から聞いた話ですが、スキルはあっても、キャリアビジョンがない人が意外と多いということ。
応募者(転職者)側としては普通、採用側とのスキルマッチを最重要に考えることが多いですよね。
しかし、採用側(企業側)としては、採用側が考えるキャリアビジョンとのマッチングも一つの重要な指標として見ています(スキルマッチももちろん重要ですが)。
採用側が募集ポジションで求めていることと、応募者側が描いているキャリアビジョンに相違があれば、仮にスキルが高くても断ることもありうる、ということです。
キャリアビジョンというのは、一種の将来設計であり入社してから働く上でのモチベーションを表れです。
別に、入社後に当初のキャリアビジョンから変わったっていいと思います。ただ、転職活動をするからには、一度真剣に考えてみることをおおすすめします。
といっても抽象的なビジョンである必要はありません。
具体的にこのスキルを伸ばしたいとか、この分野のプロフェッショナルになりたいとか。抽象的なわかりにくい表現より、具体的な目標のほうが採用側にとってもイメージが湧きます。
面接対策
ちょっと余談ですが、面接対策について。
新卒採用と異なり、転職の面接は非常にシンプルだと思います。
というも、面接で質問されることは大体同じだからです。私自身転職活動では、8回ほど面接を受けてきましたが、よく聞かれることとしては以下の通り。ぶっ飛んだ質問はありません。
・志望動機は?
・どうして転職しようと思ったの?
・これからどんなキャリアを形成したい?
・ここにどんなことがしたい?
・前職ではどんなことに苦労したの?
・前職ではどんなことをがんばったの?
・自信のあることやスキルは(自己アピール)?
ちなみに、一般的な就活や転職での面接対策やキャリアビジョンの考え方は、YouTuberのUtsuさんの動画、特に「面接直前シリーズ」や「逆質問について」が非常に参考になります。
社内SEに関する面接対策については、後で紹介する社内SE転職ナビなど求人サイトの特集で紹介されています。そちらも参考になります。
社内SEに転職する際の会社選びのコツは?
ここでは、社内SEとして転職する際の会社選びについて考えてみましょう。
会社を選ぶ(会社に求める基準)際のポイントとして、ここでは3つの指標を紹介します。
❶年収重視
❷経験重視
❸年収&経験のバランス重視
会社選びに適した転職サイトは?
前節で紹介した会社選びの3つの指標を押さえた上で、今度はその会社を選ぶ際に適した転職(求人)サイトについて見ていきます。
❶年収重視:大企業
❷経験重視:ベンチャー・中小企業
❸年収&経験バランス重視:メガベンチャー・SaaS系のIT企業
といっても転職サイトは今の時代、たくさんあって選ぶだけでも大変ですよね・・。
ただ、すべてを登録しておく必要はありません。なぜなら採用側の企業は、一般的に複数の転職サイトに対して求人を出しているから。
2〜3個登録しておけば問題ないでしょう。私も転職活動当初は5〜6個登録してましたが、最終的に利用していたのは、リクナビNEXTと社内SE転職ナビの2つでした。
リクナビNEXTを利用して良かった点は、やはり掲載求人数の多さ。総合求人サイトのため当然社内SE以外の職種も多数求人はありますが、網羅性という意味ではここが一番ではないでしょうか。
また、社内SEの求人数の多さはもちろんですが、求人の質という意味でも他の総合求人サイトよりも高い求人が多数掲載されている印象です。
ちなみにリクナビNEXTはあくまで求人を掲載している転職サイトです。エージェントを利用する場合はリクルートエージェントになります(わかりづらいですよね)。
社内SE転職ナビを利用して良かった点は、社内SEに特化の転職エージェントであるため掲載求人が大企業〜ベンチャーまで幅広くカバーされていることでした。
また、社内SEとしての転職ノウハウがサイトで多数紹介されている点も転職する上で非常に参考になりました。
SESの経験は社内SEの意外なところにも役立つ
最後まで読んで頂きありがとうございました。
私自身社内SEとして働いてからわかったことですが、SESでのドキュメント整備作業は社内SEの仕事では意外と求められることが多いです。
私の場合、SESではインフラエンジニアとしてデータセンタで働いていましたが、そこでの運用業務の一つとして行っていた作業手順書の作成や説明資料の準備、構築作業後のパラメータ整備などが、社内SEでの仕事でも役に立っています。
技術的なスキルも重要ですが、こうしたドキュメント系の整備が、社内SEの仕事では案外整備されてなかったり、雑だったりします。
そういう細かい部分も含めてSESでの経験は社内SEでも活きてきます。
これから転職活動される方の、ほんの一助になれば幸いです。