社内SEは需要拡大?
この記事では、転職サイトごとの使い分け方や各転職サイトの比較情報について解説します。
社内SEの人材不足は、昨今のIT投資の拡大もあり今加速していることをご存知ですか?
DELLが2019年に調査した中堅企業IT投資動向調査でも、中堅企業の約4割がひとり情シスもしくはゼロ情シス状態と不足が深刻化。
国が掲げるDX(デジタルトランスフォーメーション)や2025年問題に対応するため、企業の社内ITインフラや業務におけるIT投資は今後ますます増えていくことでしょう。
それに応じて、社内SEの需要も当然増加します。
DODAが発表しているITエンジニアの転職市場動向レポートによると、コロナの影響で社内SEの求人は一時的に減少したものの、2020年7月を底として上昇しています。
そんな社内SEに興味がある方に向けて、実際に転職サイトを利用する際の注意点や転職サイトごとの特長について解説していきます。
読んで頂きありがとうございます。
簡単に私のプロフィールを紹介させて下さい!
なぜ社内SEの需要が伸びているのか?
企業の社内SEの需要拡大要因として、2つのポイントが考えられます。
まずは、この2つのポイントについて簡単にみていきましょう。
①企業のIT投資の拡大
経済産業省が2018年に公開した『DX 推進ガイドライン』でも取り上げてられているように、国内産業全体で企業活動のIT促進化が行われています。
企業活動のIT化を進めるのが企業内の社内SEの役割です。
先のDELLのレポートにもあるように、中小・中堅企業の社内SEは、これまで企業内でひとり情シスもしくはゼロ情シス状態。
つまり、従来の企業はIT投資に積極的ではありませんでした。
ただ、これからの中小・中堅企業は、DX化に対応するためIT投資に積極的にならざるを得ません。
そのためには社内SEの存在は必要不可欠となっていきます。
②社内システムの内製化の動き
「内製化」とは、一般に社内システムを自分たち(自社社員)で構築運用すること。
「そんなの当たり前じゃないの?」と思う方もいるかもしれません。
ただ、企業によっては、社内システムの運用を外部に委託しているケースが数多く存在しています。
日本の企業は、もともとITスキルを持った人材が多くありません。
また、経済産業省が2019年に発行した『IT 人材需給に関する調査』によると、2030年におけるIT人材不足は少なくとも約16万人。
最大で約79万人と言われています。
この2つから分かること。つまり、日本企業は昔から慢性的なITエンジニア不足なのです。
エンジニアが不足している企業は、これまで社内のIT分野をSIerやSESに業務を委託して代わりに運用してもらってきました。
外部に委託することは、新規システムの開発時間を要する上にコストもかさみます。
それが、昨今のIT投資拡大により委託のコストがさらに拡大してきたのです。
そして外部委託している企業は、競合他社の内製化している企業の成長スピードに対抗できなくなってきてしまいました。
結果的に内製化していない企業の成長スピードは低下します。
>> 『システム内製化の動きが顕著に、企業は遅れずに実践せよ!』IT Leaders
よって、これまで外部委託してきた企業は、自社でエンジニア(社内SE)を雇ってたほうがコストメリットが生まれる考えにシフトしています。
「内製化」の拡大に比例して、社内SEの需要も増大しているのです。
社内SEは未経験からの転職は難しい?
「社内SEは未経験から転職が難しい」という話をたまに聞きます。
私自身、転職活動当時(2018年頃)そう思っていました。
ただ、結論から言うと難しくはないです。
難しいと言われているのは、3つの「思われがち」なイメージがあるからです。
なぜそう思われがちなのか、簡単にみていきましょう。
①未経験からの転職は敷居高いと思われがち
社内SEへの転職は、未経験ではなかなか雇ってくれない会社が多いと思われがちです。
たしかに、一昔前まではそうだったかもしれません。理由は、企業活動でITインフラの利用が重要視されていなかったから。
ただし、今は真逆です。
先ほども紹介したように、経済産業省が発行した『DX 推進ガイドライン』では、企業活動において、今後のグローバル競争に対応していくために、IT投資を推奨しています。
DODAが発行しているITエンジニアの転職市場動向レポートからも、社内SEの求人が増加していることがわかります。
昔のような最低限でのIT利用から、最大限のIT活用による業務効率化や生産性の向上が期待されている現代においては、社内SEはたとえ未経験でも十分需要があります。
そもそも、これまで社内SEの人材が少数だったこともあり、20〜30代の社内SE希望者のほとんどは未経験者です。
求人企業側も、ポテンシャルがあれば未経験でも採用しています。先ほどのDODAのレポートでも、元SIerやSESといった他業種経験者からの採用も積極的に行っているとのこと。
②競争率が高いと思われがち
①でも紹介したように、競争率が高いと思われていた時代は、そもそも社内SEとしての需要が少ない時代だったから。
今は多くの企業で社内SEの募集があります。
その分希望者も多いですが、先ほどのDODAのレポートをみる限り、需供給のバランスは他エンジニアと同様解離しているわけではありません。
十分転職のチャンスはあります。
③特殊なスキルが必要だと思われがち
私自身も感じたことですが、社内SEの仕事ってあまりイメージが湧かないんですよね。
社内SEの仕事は、元々少数精鋭で40代以上のベテラン集団が所属しているイメージ。
バリバリのスキルが求められるイメージがあるのかもしれません。
ただ、実際のところ社内SEの仕事は、全てが技術的な仕事ばかりではありません。
私の周りをみても、エンジニアとして技術力が飛び抜けている人というよりは、さまざまなスキルを手広く扱える要領のいい人が多いです。
なお、手前味噌で恐縮ですが、社内SEのスキルについては別記事で纏めています。
気になった方は是非一読してみてください。社内SEの求められるスキルについて一通りわかる内容となっております。
転職サイトはどれも一緒?
社内SEの求人を紹介している転職サイトは、私がすぐに思い浮かぶだけでも5個以上。
正直、すべてを登録する必要はないと思います。
なぜなら、一般的に企業側は複数の求人サイトにまたがって求人広告を出すことが多いから。
2〜3個登録しておけば問題ないでしょう。
ただ、転職サイトにもそれぞれ特長があることをご存知ですか?
まずは、転職サイトの特長を比較していきましょう。
転職サイトの特長 〜エージェントの有無と取り扱い求人の種類〜
転職サイトの特長として、大きく2つあります。
▶︎エージェント介入の有無
転職サイトの特長の1つ目は「エージェント介入の有無」です。具体的には、自身で求人を応募する①セルフ応募型と、転職エージェントを介して一緒に求人を探す②エージェント型に分類することができます。
①セルフ応募(ノンエージェント)型
②エージェント型
この2つについて少し深掘りしていきましょう。
①セルフ応募(ノンエージェント)型
セルフ応募型とは、自ら気になった求人を求人サイトから応募して、直接企業の採用担当とやりとりしながら進めていくパターンのこと。
よく聞く転職サイトだと『リクナビNEXT』や『Green』が挙げられます。
セルフ応募型の転職サイトを利用するメリットとデメリットは下記の通り。
転職活動の準備(職務経歴書作成や面接の日時調整など)をすべて自分で行う必要があります。
周囲に頼らず自分でガンガン転職活動したい人にとって向いているパターンですね。
②エージェント介入型
エージェント介入型は、求人を掲載している人材会社の担当(エージェント)と一緒に求人選びから進めるパターンです。
よく聞く転職サイトだと『リクルートエージェント』や『DODA』が挙げられます。
エージェント介入型の転職サイトを利用するメリット・デメリットとしては下記の通り。
第3者の意見を参考にしながら、じっくり求人を選びたい人にとって最適なパターンですね。
▶︎取り扱う求人の種類
転職サイトの特長の2つ目は「取り扱う求人の種類」です。転職サイトによって、取り扱う求人の種類にも特長があります。
大きく3つのパターンに分類できますね。
❶バランス型
バランス型は、様々な業界において大企業から中小企業に至るまでの求人が掲載された転職サイトを指します。
❷特化型
特化型とは、例えばエンジニアや社内SEといった、一部の職種の求人を専門に取り扱っている転職サイトのことです。
❸ベンチャー中心型
ベンチャー中心型とは、会社規模が10〜20年未満のいわゆるベンチャー企業の求人が比較的多い転職サイトのことです。
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さて、ここまで転職サイトに関する2つの特長について、簡単ですがまとめてきました。復習すると、下記のようになります。
このように転職サイトは、求人応募時に介入するエージェントの有無や取扱う求人の種類によって利用用途が変わってくるのです。
転職サイト10社を比較してみた
# 上記分布図は、今回紹介する転職サイトの特長を「専門性」と「求人数」の2つの観点から大まかにまとめています。
先ほど紹介した転職サイトの特長を踏まえて、ここからは社内SEの求人を取り扱う転職サイト10社を紹介していきます。
ただ、10社全部をゆっくりみる時間がないって人向けに「社内SE向け転職サイト10社早見表」をつくってみました。
ざっと目を通していただき、気になる転職サイトのみチェックして頂ければ!
気になる転職サイトがあれば、是非公式サイトからチェックしてみてください。
①レバテックキャリア
サイト名 | レバテックキャリア |
エージェントの有無 | エージェント介入型 |
取り扱い求人の形態 | 特化型(ITエンジニアに特化) |
取り扱い求人数 | 約4千件 |
「最小限の負担で、理想の転職」をコンセプトに掲げるレバテックキャリア。
最新の技術にも精通した専任カウンセラーが、オンラインカウンセリング〜内定までを手厚くサポートしてくれる点が魅力の1つです。
②リクルートエージェント
サイト名 | リクルートエージェント |
エージェントの有無 | エージェント介入型 |
取り扱い求人の形態 | バランス型(大企業〜中小企業) |
取り扱い求人数 | 約15万件 |
求人数15万件以上は業界最大級(ただし、エンジニア以外の職種も含まれた数)。
また、リクルートエージェントに登録しないと紹介することができない非公開求人も多数掲載しているとのこと。
③社内SE転職ナビ
サイト名 | 社内SE転職ナビ |
エージェントの有無 | エージェント介入型 |
取り扱い求人の形態 | 特化型(社内SE専門) |
取り扱い求人数 | 約6.5千件 |
社内SE転職ナビは、社内SEに特化した転職エージェントとして有名な転職サイトです。
特化しているだけあって、豊富な求人数や転職支援のノウハウも多数活用することができます。
大企業からベンチャー企業、非IT系の企業からIT企業まで、網羅性の高い求人数を掲載しており、掲載企業からの信頼度の高さも伺えます。
④アクシスコンサルティング
サイト名 | AXIS CONSULTING (アクシスコンサルティング) |
エージェントの有無 | エージェント介入型 |
取り扱い求人の形態 | 特化型(ハイクラス専門) |
取り扱い求人数 | 非公開 |
アクシスコンサルティングは外資系企業やIT業界のハイクラス求人に特化した転職サイトです。
取扱い求人の約77%が非公開求人であることや転職までのサポート期間が平均3年。
中長期的にご自身のキャリアについて一緒に納得いくまで考えてくれる支援が魅力ですね。
⑤DODA
サイト名 | doda |
エージェントの有無 | エージェント介入型 |
取り扱い求人の形態 | バランス型(大企業〜中小企業) |
取り扱い求人数 | 約2万件 |
掲載している求人数は、リクルートやマイナビと並んで国内最大級。
DODAでは、「年収査定」や「人気企業への合格診断」「自己PR発掘診断」等の診断ツールが充実しており、様々な角度から転職活動を支援してくれます。
⑥マイナビIT AGENT
サイト名 | マイナビIT AGENT |
エージェントの有無 | エージェント介入型 |
取り扱い求人の形態 | 特化型(IT業界・エンジニア中心) |
取り扱い求人数 | 約1.4万件 |
マイナビIT AGENTでは、IT業界・エンジニアの転職に特化した転職サイトです。
最近では社内SEの転職に特化した支援サービスも展開中。
社内SEとしてキャリアアップを希望する方にとっては、おすすめの転職サイトの1つです。
⑦ランスタッド
サイト名 | ランスタッド |
エージェントの有無 | エージェント介入型 |
取り扱い求人の形態 | バランス型(大企業〜中小企業) |
取り扱い求人数 | 約8.2千件 |
ランスタッドは、オランダを本社に持つ外資系の人材企業です。
求人数こそリクルート等比べると少ないですが、その分ハイクラスに対応した厳選された求人が魅力です。
外資系企業の求人も豊富で、外資系企業に沿った転職支援を展開している点は外資系ならでは魅力。
グローバルな働き方に興味がある方におすすめの転職サイトとなっています。
⑧WANTEDLY
サイト名 | WANTEDLY |
エージェントの有無 | セルフ応募型 |
取り扱い求人の形態 | ベンチャー中心型 |
取り扱い求人数 | 約25万件 |
WANTEDLYの掲載求人数はいまや約25万件以上とリクナビをも上回る数ですね。
掲載求人は大手企業はもちろん、創業間もないベンチャー企業も数多く掲載されています。
ベンチャー企業は基本的に人材不足です。
WANTEDLYに登録するプロフィールを充実させる事で、企業側からの逆オファーがもらいやすいのが特長でもあります。
⑨リクナビNEXT
サイト名 | リクナビNEXT |
エージェントの有無 | セルフ応募型 |
取り扱い求人の形態 | バランス型(大企業〜中小企業) |
取り扱い求人数 | 約1万件 |
リクナビNEXTは、基本的に自分で求人の見つけて、希望の企業へ申し込み、面接〜採用まで自己完結できる転職サイトです。
ただ、登録するプロフィールを充実させることで、独自のAIで自分に合った求人を提案してくれたり、企業側からのアプローチや逆オファーがもらえることも。
中にはオファーでしか紹介されない非公開求人もあります。
リクルートエージェントと連携して、専任の担当者と相談しながら進めることもできます。
⑩Green
サイト名 | Green |
エージェントの有無 | セルフ応募型 |
取り扱い求人の形態 | 特化型(IT業界・エンジニア中心) |
取り扱い求人数 | 約1.7万件 |
ベンチャー〜中堅企業を中心としたIT業界最大級の求人数を掲載しているのが魅力の1つ。
また、「設立10年以内の成長企業特集」「社員数50人以下の成長企業特集」といった形でベンチャー企業紹介も行ってくれるので会社選びに非常に役立ちます。
企業側からの逆オファーも積極的にあるため、まだ知らない魅力的な企業にたくさん出会えるチャンスに溢れた転職サイトです。
気になる転職サイトは見つかりましたか?
最後まで読んで頂きありがとうございました。
まずは、今回紹介した転職サイト10社の基本情報をおさらいしておきましょう。
気になる転職サイトは見つかりましたか?
仮にすぐ転職しないにしても、今のあなたの市場価値を測る上で転職サイトに登録してみることをおすすめします。
今まで自分では気づかなかった新たな発見があるかもしれません。
転職は今後の人生に大きく影響する行事です。1日〜2日で決めるものではありません。
じっくりと腰を据えて、ゆっくりご自身のキャリアを見直すいい機会でもあります。
社内SEの需要拡大によって、ますます社内SEの求人数は増えてくる事でしょう。
会社によって、社内SEの役割は異なります。ご自身のスキルや希望の環境に合った求人を是非探してみてください。
あなたの転職活動にとって、この記事が少しでもみなさまのお役に立てれば幸いです。