社内SEは楽は本当か
「社内SE 楽」とGoogle検索してヒットした1ページ目に出てくるサイトの記事の過半数は『社内SEは楽』という内容です。
果たしてそれは本当なのでしょうか?
といっても、私も統計をちゃんと取っているわけではないので正確なことはわかりません。
ただ、私の経験はお伝えすることはできます。
『社内SEは楽』だという記事を書いた人も、きっと記事作成者の経験に基づくものであり、決して嘘ではないのですから。
私自身も現役の社内SEです。
現役の視点なりに、社内SEの仕事に対するリアルな声をホンネでぶっちゃけたいと思います。
読んで頂きありがとうございます。
簡単に私のプロフィールを紹介させて下さい!
社内SEが楽だと思われる3つの勘違い
社内SEが楽だと言われている記事でよく上げられる3つの勘違いについて、現役社内SEの立場からチェックしてみます。
①主な業務はヘルプデスクでしょ?
んなことはない笑。サーバやネットワークの構築や運用管理とかいろいろしてます。
社内SEの仕事は大きく分けて7つに分類できます。
なお、この7つのお仕事については、詳細を別記事で紹介しています。よければこちらもチェックしてみてください。
②基本定時で帰れるんでしょ?
確かに、定時で帰れることは多いです。営業の方のように顧客への提案準備や開発のエンジニアのように納期に追われることはありません。
ただ、月初や月末は入社や異動の対応があるので、定時後に残って作業することが多いですね。
ちなみに、月の残業は大体20時間以内。1日あたりで換算すると、およそ1時間/日です。
③極論暇なんでしょ?
総合的にみても暇ではないです。
それが言えるのは社内システムの管理を外注して、何十人も社内SEを抱えている大企業くらい。
大企業の情報システム部門であれば、20〜30人規模で社内SEを抱えてたりします。そして、その大半をSIerやSES等外注しているケースも多いです。
ただ、中小企業の社内SEは基本少数精鋭(1人〜10人)。
私が働いている会社も、社内SEは10人以下。暇になったことはありませんし、暇だと思ったこともありません(ただ、激務だと思ったこともありませんが)。
3つの勘違いについてみてきました。
これは社内SEに限らずですが、大企業のように会社規模が大きくなると、社内SEの業務を一人一人で担当に分業することが多くなります。
その一方で、中小企業のように会社規模が小さい場合はさまざまな業務を一人で何個も請け負います。
そういう意味では、大企業のほうがより専門性の高いスキルが求められ、中小企業では、複数の業務が行える幅広いスキルが求められる傾向がありますね。
社内SEの仕事に抱かれがちな3つのイメージ
さて、みなさんは社内SEについて、どんなイメージをお持ちでしょうか?
もしかすると、マイナスなイメージを持たれてる方もいるかもしれません。
ここで紹介する3つのイメージは、社内SEとしてよく思われがちなイメージです。
他の記事でもよく書かれていることですが、果たしてこれが正しいのか?誤りなのか?一つずつ確認していきましょう。
①技術的なスキルアップがしづらい
②キャリアアップ(転職)しづらい
③給料アップしづらい
①技術的なスキルアップがしづらい
これは、社内システムの内製化の有無によって変わってきます。
内製化とは、社内システムを自社社員だけで構築運用管理すること。
会社規模が大きくなると、人的リソースやスキルの問題から、一部の業務をSIerやSESに任せる場合があります。外注すると技術的な作業をすることが減る可能性はあります。
内製化している企業であれば、スキルアップのチャンスはむしろ大きくなるでしょう。
今は、DX(デジタルトランスフォーメーション)による企業のIT投資が盛んな時期でもあります。
社内SEとして、今後も技術的なスキルアップを続けて行きたいのであれば、内製化している企業への転職をおすすめします。
②キャリアアップ(転職)しづらい
①のスキルアップに関連していますね。
スキルアップが難しければ、エンジニアとしてのキャリアアップもしづらくなります。
ただ、社内SEとしてのキャリアアップは十分可能です。ただ、社内SEの転職市場の流動性は高くなりません。
それはある意味で、社内SEという職業が転職するほどの不満がないという、充実度が高いことの現れでもあります。
③給料アップしづらい
社内SEは管理部門に属すことが多いので、営業のようなインセンティブは基本ありません。
そういう意味では、頑張った分だけ給料アップするということはないです。
給料アップを望むなら、転職がベターでしょう。
社内SE限らず、管理部門の部署の給料は会社の規模に比例します。
つまり、大手企業のほうが給料が高い傾向にあるのです。
社内SEとして転職する際の会社選びの基準
ここでは、社内SEとして転職する際の会社選びについて考えていきます。
会社を選ぶ(会社に求める基準)際のポイントとして、ここでは3つの指標を紹介します。
❶年収重視
❷経験重視
❸年収&経験のバランス重視
会社選びに適した転職サイトは?
前節で紹介した会社選びの3つの指標を押さえた上で、今度はその会社を選ぶ際に適した転職(求人)サイトについて見ていきます。
❶年収重視:大企業
❷経験重視:ベンチャー・中小企業
❸年収&経験バランス重視:メガベンチャー・SaaS系IT企業
といっても転職サイトは今の時代、たくさんあって選ぶだけでも大変ですよね・・。
ただ、すべてを登録しておく必要はありません。
なぜなら採用側の企業は、一般的に複数の転職サイトに対して求人を出します。2〜3個登録しておけば問題ないでしょう。
といっても転職サイトがこんだけたくさんあると、登録するだけでも大変ですよね・・。
正直、すべてを登録しておく必要はないと思います。なぜなら採用側の企業は、一般的に複数の転職サイトに対して求人を出しているから。
2〜3個登録しておけば問題ないでしょう。私も転職活動当初は5〜6個登録してましたが、最終的に利用していたのは、リクナビNEXTと社内SE転職ナビの2つでした。
リクナビNEXTを利用して良かった点は、やはり掲載求人数の多さ。総合求人サイトのため当然社内SE以外の職種も多数求人はありますが、網羅性という意味ではここが一番ではないでしょうか。
また、社内SEの求人数の多さはもちろんですが、求人の質という意味でも他の総合求人サイトよりも高い求人が多数掲載されている印象です。
ちなみにリクナビNEXTはあくまで求人を掲載している転職サイトです。エージェントを利用する場合はリクルートエージェントになります(わかりづらいですよね)。
社内SE転職ナビを利用して良かった点は、社内SEに特化の転職エージェントであるため掲載求人が大企業〜ベンチャーまで幅広くカバーされていることでした。
また、社内SEとしての転職ノウハウがサイトで多数紹介されている点も転職する上で非常に参考になりました。
社内SEは今人手不足で困ってる?
社内SEは楽だなんだという話をしてきましたが、実際社内SEの人手は足りてないのが実情です。
社内SEの人材不足は、昨今のIT投資の拡大もあり加速しています。
DELLが2019年に調査した中堅企業IT投資動向調査でも、中堅企業の約4割がひとり情シスもしくはゼロ情シス状態と不足が深刻化。
国が掲げるDX(デジタルトランスフォーメーション)や2025年問題に対応するため、企業の社内ITインフラや業務におけるIT投資は今後ますます増えていくことでしょう。
それに応じて、社内SEの需要も当然増加します。
社内SEに興味がある方は是非一度エージェントに話を伺ってみてください。
一見地味な仕事と思われがちですが、社内SEの仕事は魅力的な面もたくさんあります。
イメージだけではわからなかった意外な一面が発見できるかもしれません。
最後まで読んでいただいた皆様、誠にありがとうございました。