情報処理安全確保支援士試験は意外と簡単?
この記事では、情報処理安全確保支援士試験の勉強法についてまとめてみました。
・情報処理安全確保支援士試験の試験概要
・おすすめのWebサイトと参考書や問題集
・午前と午後の勉強法や勉強時間
私自身は、2021年4月に行われた春期試験で情報処理安全確保支援士試験を受験し無事合格。
(午後Ⅱ試験がだいぶぎりぎりでしたが・・・)
一個人の経験ではあるのですが、合格のために実践した勉強法と利用した参考書についてまとめましたので、これから受験される方にとって少しでも参考なれば幸いです。

読んで頂きありがとうございます。
簡単に私のプロフィールを紹介させて下さい!
情報処理安全確保支援士試験とは?
まずは情報処理安全確保支援士試験の概要について少し整理してみます。
①情報安全確保支援士とは?
②試験概要(受験料,出題形式,出題範囲)
③試験合格のメリット
①そもそも情報処理安全確保支援士とは?
情報処理安全確保支援士について、IPAでは以下のように定義されています。
・・・サイバーセキュリティ対策を推進する人材の国家資格。・・・IT活用に伴うリスクに応じた具体的・効率的なセキュリティ対策を企画し、セキュリティ専門家のみならず、IT・セキュリティを専門としない人にも説明・連携して、安心・安全な環境の確保を支援する人材・・・
『情報処理安元確保支援士の制度について』IPA
②試験概要
出題形式

午前・午後ともに、合格基準は100点中60点です。つまり、各試験において6割以上で合格となります。
なお、午前Ⅰ試験は免除も可能です。詳しくは別記事で解説しています。よければこちらもご覧ください。
受験料
7500円(税込)※令和3年度秋期試験から適用

なお、詳しい試験概要はIPA公式サイトの試験要綱を参照ください。
③試験合格のメリット
情報処理安全確保支援士試験に合格することで、大きく3つのメリットがあります。
①名称の独占
②他試験での優遇や一部試験免除(中小企業診断士や弁理士)
③IPAが紹介する中小企業へのセキュリティ支援業務(謝金あり)
どのメリットも合格後に申請・登録して「登録セキスペ」となることが前提にはなります。
特に③では、実際にIPAから紹介される中小企業に実際に赴き、情報セキュリティ支援業務を行うというもの。
謝金も発生するため、情報処理安全確保支援士としてより実践的な経験を積むことができます。なお、2021年8月時点では現在支援士の募集は終了しています。

勉強におすすめのWebサイトと本(参考書と問題集)
ここでは私が合格のために利用した問題集として利用したWebサイトと参考書を紹介します。
紹介したサイトや本の活用については、後ほど勉強法で解説します。
Webサイト
情報処理安全確保支援士ドットコム
情報処理安全確保支援士ドットコムでは、午前Ⅱ試験や午後Ⅰ,Ⅱ試験の過去問演習が行えるWeb問題集です。
利用は全て無料、ほとんどの問題に詳しい解説がされています。午前Ⅰ試験対策を除けば、正直このサイトひとつでほぼ全ての試験対策が可能です。
注意点としては、午前Ⅰ試験対策は対象外。
実際私は、本番テストの1週間前まで午前Ⅰ試験も過去問道場で対応できていると勘違いしていました・・・
本(参考書)
情報処理教科書 情報処理安全確保支援士
情報処理試験の対策本といえば代表格の出版社、翔泳社が毎年発行している『情報処理教科書 情報処理安全確保支援士』。
実際、参考書売り場で他の本と比較しましたが、他参考書と比べても、情報の細かさ、網羅性という観点では一番です。
また、この本は試験対策だけでなく、情報セキュリティの概説書として利用することができます。
索引もあるので、実際私はわからないセキュリティ用語を調べるときに利用しています。
試験対策以外でも辞書として重宝できる便利な1冊です。
本(問題集)
午前試験対策と午後試験対策に分けて1冊ずつ紹介します。
午前試験対策
午前Ⅰ試験対策の問題集は、別記事で詳細に説明をしていますのでそちらを参考下さい。
午前Ⅱ試験対策の問題集は買う必要ありません。
先ほど紹介した情報処理安全確保支援士ドットコムの過去問道場をやり込めば問題ないです。
午後試験対策
午後試験対策でおすすめの問題集は『午後(I・II)に集中!情報処理安全確保支援士精選17問』です。
電子書籍でのみ販売されているのであまり有名ではないですが、午後Ⅰ・Ⅱ試験の傾向やクセについて、過去問題から厳選した17題を解きながら慣れることができます。
この本の良いところは2つ。
・解説が非常にわかりやすい
・解くべき過去問題が厳選されている
過去問演習なら、先ほど紹介したドットコムの過去問演習でも午後問題を解くことができます。
ただ、ブラウザから解くと結構解きづらい(頻繁に上下スクロールが必要)です。
『午後(I・II)に集中!情報処理安全確保支援士精選17問』なら、明確な意図を持って午前Ⅰ・Ⅱ試験の顧問演習ができます。
価格的も千円程度と良心的で、それでいて午後Ⅰ,Ⅱ試験のどちらの対策の可能というコスパ最強の1冊です。
過去問を闇雲にやるよりこの本をやり込んだほうがよっぼど力がつきます。
本を買うなら電子書籍がおすすめ
ちなみに、本の購入なら紙媒体よりも電子書籍での購入を断然おおすすめします。
ちなみに、私は電子書籍サイト大手のhontoを愛用しています。
hontoを愛用している理由は何といっても定期的(週1回程度)に15~25%OFFクーポンを発行してくれるところ。
毎月5千円以上本を買う私にとっては非常に嬉しい!
勉強法は正攻法で
ここでは、午前試験と午後試験を勉強する上でのポイントを紹介します。
先ほど紹介したWebサイトや問題集を実際私がどのように活用したのか、実体験を元に紹介します。
①午前Ⅰの問題演習は最初に短期集中
②午前Ⅱは過去問道場をやり込む
③午後Ⅰ・Ⅱは厳選問題集を3周
①午前Ⅰ試験は1週目に短期集中
午前Ⅰ試験は(免除されている方は良いのですが)、免除されていない方にとっては鬼門です。
私も午前Ⅰ試験から受けた人間ですが、ある意味午後試験より難しいと感じました。ただ、極端な話午前Ⅰ試験は暗記で対策できる試験です。
後回しにせず、1週目に短期集中でさらっと終わらせると気持ちが楽になります。
勉強方法は、別記事で紹介している問題集『システム監査技術者試験 厳選問題集』の反復をおすすめします。2周が目安です。
(なぜシステム監査技術者試験の問題集で勉強するのか?その理由は下記記事に書いてます↓)
②午前Ⅱ試験は過去問道場をやり込むべし
午前Ⅱ試験は、情報処理安全確保支援士ドットコムの過去問道場をやりましょう。
カテゴリ別に解いてもよし、模擬試験形式でテストしてもよし。
間違えた問題は、あとからチェックできる機能も用意されています。間違えた問題の復習はこまめにしましょう!
なお、先ほど紹介できていませんでしたが、午前Ⅰ,Ⅱ試験対策の問題演習として『情報処理安全確保支援士 午前Ⅰ・Ⅱ試験一問一答問題集』もおすすめです。
ちなみに、kindle unlimitedなら『情報処理安全確保支援士 午前Ⅰ・Ⅱ試験一問一答問題集』は無料で読めます。
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③午後Ⅰ・Ⅱ試験は厳選問題集を2周
午後試験はいわずもがな論述問題です。午前試験と違って過去と同じ問題が出題されることはまずないでしょう。
それでも、過去問演習で出題される問題の傾向や出題パターンに慣れることはできます。
パターンに慣れておくと、バターンのごとで問題のストーリーの流れが把握しやすくなり、問題の理解が早くなります。
先ほど紹介した『午後(I・II)に集中!情報処理安全確保支援士精選17問』は、過去の午後問題から頻出の出題パターンを元に問題が厳選された1冊です。
問題も17問(午前Ⅰ試験向けに10問、午後Ⅱ試験向けに7問)に厳選されています。ただ、17問全て解く必要はありません。
というのも午後試験では、複数の長文問題からの指定数を選択して解きます(午前Ⅰ試験は3つの出題から2つ選択、午後Ⅱ試験は2つの出題から1つ選択)。
具体的には、開発系の問題とインフラ系の問題に分類できます。
また、午後Ⅰ・Ⅱ試験ともに、開発系向けの問題は各試験ごと1つしか出題されません。
つまり、開発系の問題は捨てる(対策不要)ことができるのです。
おそらく情報処理安全確保支援士試験を受験する過半数はインフラ系のエンジニアやSEだと思います。
今回紹介した『午後(I・II)に集中!情報処理安全確保支援士精選17問』のうち、開発系を問題を省くことでより効率的に学習を進めることができるのです。
試験までの勉強スケジュールと勉強時間
学習期間は最低約1カ月は余裕を持っておいたほうが良いと思います。
ここでは1カ月を5週間として、おすすめの学習スケジュールについて順を追って紹介します。
1週間目は午前Ⅰ対策(1日平均2時間)
最初の1週間で『システム監査技術者試験 厳選問題集』を2周して午前Ⅰ試験対策を行います。
1周目は正直わからなけば答えをすぐ見て理解を優先すべきです。
出題される問題は類似していることも多いので、極論暗記でも問題ないです。
2週間目は午前Ⅱ対策(1日平均2時間)
2周目は情報処理安全確保支援士ドットコムで午後Ⅱ試験対策です。
私は、分野ごとに1周解いて、間違えた問題を2周目に再度解き、このサイクルを間違えた問題がなくなるまで繰り返しました。
なくなったら、模擬試験モードでひたすら問題演習を行います。
3,4週間目は午後対策(1日平均1〜2時間)
3〜4週間目で『午後(I・II)に集中!情報処理安全確保支援士精選17問』を2周して、午後Ⅰ・Ⅱ試験対策を行います。
『午後(I・II)に集中!情報処理安全確保支援士精選17問』では午後Ⅰ試験として10題、午後Ⅱ試験として7題用意されています。
私は、1問1時間(解く30分、復習30分)とペースで、1日1〜2問を解き進めました。
午後試験対策で重要なのは、長文に慣れることと問題文から答えをすばやく導き出すことです。
午前試験とは異なり、答えを求めるのに知識の暗記は必要ありません。
午後問題は問題文自体に答えやヒントがあります。そのためには、素早く問題文を理解することが重要です。
また、午後試験は記述形式になるので、回答を端的に答える練習が必要です。
といっても、答えやヒントは問題文にあるので、問題文の言葉を元につなげて書けば問題ありません。
5週間目は午前対策の再復習(1日平均1〜2時間)
5週間目で、再度午前Ⅰ・Ⅱ試験の復習を行います。
特に過去に複数回間違えている問題を中心に取り組んだり、模擬試験モードで本番向けの演習をするのもいいかもしれません。
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トータルの想定学習時間で言うと、およそ60時間(2時間/日 ✖︎ 30日)です。
偉そうに毎日2時間と書いていますが、実際私自身は毎日2時間は無理でした(笑)。
平日は平均1時間くらいは確保しつつ、主に土日で半日(4〜6時間)集中的に勉強していました。
ただ、毎日1問でも勉強することで習慣化できるように意識して取り組んできました。
せっかく勉強するならじっくりコツコツと
勉強方法の紹介は以上になります。いかがだったでしょうか?
他の方の記事で情報処理安全確保支援士試験の勉強法を拝見すると、1週間とか中には3日で短期合格したり、過去試験の過去問の一部を丸暗記して合格できたという記事を見かけます。
勉強方法は千差万別ですのでそれらを否定する気はないです。
ただ、せっかく勉強するならちゃんと腰を据えて、時間をとって準備したほうが合格率は断然高くなるはずです。
短期間でよくわからず暗記して当日ギャンブルするか、前もって少しずつ準備するか。
それぞれ人にあった勉強法で、是非合格を勝ち取ってください。
もし王道を目指すなら、私の紹介した勉強法が一助になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。