ネットワークエンジニアを目指す全ての方へ
企業のDX投資はもちろん、5GやWi-Fi6といった新技術の台頭によって、ますます重要性が高まっているネットワークエンジニア。
今回は、これからネットワークエンジニアに求められるスキルから逆算して、おすすめの本を17冊紹介します。
・最低限チェックしたい7つのITトレンド
・ネットワークエンジニアとして求められるスキル
・8つの分野に分けておすすめの本17冊を紹介

読んで頂きありがとうございます。
簡単に私のプロフィールを紹介させて下さい!
最低限押さえておきたい!IT業界の最新トレンド
エンジニアであれば、今の時代のITトレンドは最低限チェックしておくべきでしょう。
時代の潮流によって、ネットワークエンジニアに求められるスキルも変化していきます。
私が注目している最新のITトレンドは7つ。
①DXによるIT投資
②2025年の崖
③クラウドの波
④IPv4の枯渇とIPv6の台頭
⑤ゼロトラストネットワーク
⑥5Gの到来
⑦Wi-Fi6の参入
一つずつ簡単に見ていきましょう。
①DXによるIT投資
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、企業ひいては社会の経済活動にIT活用が進むことで、組織や人々の生活を根本から変革ていくIT革命のことを意味します(FUJITSU JOUNAL調べ)。
企業のDX促進をめざすIT投資によりネットワークエンジニアの需要も増加していくことでしょう。
②2025年の崖
2025年の崖とは、先のDXに対応できなかった会社が2025年を境にビジネスとして衰退していくことを示唆する言葉です(経済産業省調べ)。
③クラウドの波
サーバはもちろん、ネットワークもクラウド(仮想化)への移行が加速しています。
大手シンクタンクのMM総研の調査によれば、国内クラウド市場は2024年に5兆円超えと言われており、その市場規模の大きさが伺えます。

④IPv4の枯渇とIPv6の台頭
前ほど言われなくなりましたが、IPv4の枯渇は近い将来確実に起こることです。
システム管理者は今後10年以内に、IPv6への移行を行わざるをえなくなります。
マルチキャストアドレス?ユニキャストアドレス?聴きなれない用語で、ちょっと毛嫌いされがちなIPv6ですが、IPv6はさまざまなメリットがあります。
例えば、IPv6はIPv4と異なり、プライベートとかグローバルと言う定義もありません。NATをさせる必要させる必要もなくなりますし、IPv6を設定した聴き同士が簡単に、P2Pのように通信可能になります。
IPv6は、確実にIT業界のさらなる加速を促します。
まだ周囲の人が注目していない今のうちに学んでおけば、その分将来のキャリアが優位になるはずです。
⑤ゼロトラストネットワーク
ゼロトラストを直訳すると信頼ゼロ。意味としては、あながち間違っていません。ゼロトラストとは「何も信頼しない」を前提に対策を講じるセキュリティの考え方です。
従来のセキュリティ対策では、信頼できる「内側」と信頼できない「外側」にネットワークを分け、その境界線で対策を講じるというものでした。内側は一般的に社内LANを表し、外側はインターネットを表します。
例えば、在宅勤務で働く人は、一般的にVPN接続した上で社内NWにアクセスするのが一般的ですよね。
ただ、こうした従来の内外管理が限界になりつつあります。信頼できる「内側」や信頼できない「外側」という概念を無くして、信頼できないことを前提に一からセキュリティについて考えるのが「ゼロトラスト」の考え方です。


⑥5Gの到来
スマホのCMで最近よく聞く5Gという言葉。
ただ、これが企業活動にどう影響するかをわかっている人は少ないと思います。
日経新聞の記事にあるように、5Gの普及はIT業界はもちろん、非IT業界のDXをより加速させます。

⑦Wi-Fi6の参入
ネットワークエンジニアであれば、Wi-Fi6は5Gとセットで覚えて欲しいところ。
Wi-Fi6という名前だけ見ればおしゃれですが、実際はIEEE802.●●の最新規格(IEEE802.ax)を表しています。
最大通信速度は9.6Gbps。Wi-Fi6は5Gをより後押ししてくれる技術です。

ネットワークエンジニアに求められるスキルとは?
時代の潮流によって求められるスキルは変わっても、ネットワークエンジニアとして求められる基本的なスキルは変わりません。
ネットワークエンジニアとして、最低限身に付けておきたいスキルを3つ紹介します。
①ネットワークの基礎スキル

どんな技術革新があっても、ネットワークの基本的なスキルは変わりません。
IPv4やIPv6の計算方法、VLANやルーティング、ネットワークプロトコルや、スイッチやルータの操作スキル等。
基本的な土台(スキル)は最低限マスターすべきでしょう。
②ネットワーク設計〜運用スキル

①の知識を基に、設計から運用管理まで構築するスキルもネットワークエンジニアには欠かせないスキルの一つです。
③ネットワークセキュリティ

セキュリティは近年ホットなテーマですが、ネットワークレベルのセキュリティ対策も重要なテーマの一つです。
先ほど紹介したゼロトラストの考え方も含めて、ネットワーク設計時にはセキュリティ面の考慮も今後重要になってきます。
8つの分野でおすすめの本を17冊紹介
前置きが長くなりましたが、早速ネットワークエンジニアにおすすめの本を8分野・17冊を紹介します。
①ITトレンド
▶︎勝ち残る中堅・中小企業になる DXの教科書
▶︎【図解】コレ1枚でわかる最新ITトレンド
▶︎ITナビゲーター2021年版
②ネットワーク概要(入門)
▶︎ネットワーク構築の基礎
▶︎ネットワークがよくわかる教科書
▶︎マスタリングTCP/IP入門
③ネットワーク設計
▶︎インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門
▶︎クラウド時代のネットワーク入門 要素技術、設計運用の基本、ネットワークパターン
④ネットワーク運用
▶︎現場のプロが教える!ネットワーク運用管理の教科書
▶︎1冊ですべてわかる ネットワーク運用・保守の基本
▶︎パケットキャプチャの教科書 (Informatics&IDEA)
⑤ネットワークセキュリティ
▶︎ネットワークプロトコル入門
▶︎ゼロトラストネットワーク ―境界防御の限界を超えるためのセキュアなシステム設計
⑥無線LAN(Wi-Fi)
▶︎これ1冊で丸わかり 完全図解 無線LAN入門
▶︎100%ムックシリーズ Wi-Fiがまるごとわかる本 2019
⑦CCNA試験対策
▶︎シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集
⑧その他
▶︎ネットワークエンジニア入門
①ITトレンド
勝ち残る中堅・中小企業になる DXの教科書
勝ち残る中堅・中小企業になる DXの教科書では、DXによってもたらされる未来と、それに中小企業がどう対応していくかを、具体事例も交えて解説している本です。
日本の約99%が中小企業(中小支援機構調べ)であるように、今後の中小企業のIT化の加速がDXと大きく結びついてきます。
今後のインフラエンジニアとしてのキャリアの方向性に考える意味でも参考になる1冊です。
【図解】コレ1枚でわかる最新ITトレンド
IT全体像の説明から、クラウド、インフラ等の分野について最新トレンドを説明した1冊です。
【図解】コレ1枚でわかる最新ITトレンドで用いられている図は、パワースポットにて無料でダウンロードして利用することも可能です。
ITナビゲーター2021年版
ITナビゲーター2021年版は、野村総合研究所が毎年出版しているITトレンド予想の定番の1冊。
大手シンクタンクらしい豊富な情報数値を基に、市場(ネットワーク・デバイス・コンテンツ配信)毎に最新の市場動向がコンパクトにまとめられています。
②ネットワーク概要(入門)
ネットワーク構築の基礎
一企業の社内SEの視点から、社内システムのネットワーク構築を前提としてNW構成(無線・有線)の考え方について学べるネットワーク構築の基礎。
ネットワークの基本的な用語やその実践的な利用方法について知りたい初学者向けの本です。
kindle unlimitedに加入していれば無料で読むことが可能です。
✔︎ 電子書籍の定額読み放題サービス
✔︎ 雑誌/書籍/漫画等200万冊以上対象
✔︎ 月額980円・端末に10冊迄保存可能
✔︎ 新規登録から30日間は無料(途中解約無料・自動更新しない設定可能)
ネットワークがよくわかる教科書
さきほど紹介したネットワーク構築の基礎の次に読んで欲しい基本書。
ネットワークがよくわかる教科書では、有線や無線LANはもちろんインターネット(WAN)やネットワークセキュリティにも言及している1冊です。
システム管理者であれば、この1冊で必要十分。
手元にあると安心な1冊です。
マスタリングTCP/IP入門
言わずと知れたネットワークの名著。
マスタリングTCP/IP入門では、ネットワークの基礎をしっかりと背景から解説しています。
硬い文章が特徴なオーム社ですが、この本は初学者でも理解できる文章で解説されており、ネットワークの入門書として最適な1冊です。
kindleなら書籍の半額で購入できるのでオススメ!紙はちょっと分厚め。
③ネットワーク設計
インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門
設計初心者でも全く問題なし。
設計方法を順序立てて丁寧に説明(物理〜論理〜負荷等)されています。
設計についてわからなくても、インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門を読めば、一気に上流レベルまで押し上げてくれる良書。
クラウド時代のネットワーク入門 要素技術、設計運用の基本、ネットワークパターン
クラウド環境のネットワーク設計にフォーカスして、設計からその後の運用までを解説しています。
クラウド時代のネットワーク入門 要素技術、設計運用の基本、ネットワークパターンでは、基本的なクラウド環境をパターン別で解説しているので、読んでいてイメージしやすい。
これから実務で、実際にクラウド環境での構築する人にとってうってつけの1冊です。
④ネットワーク運用
現場のプロが教える!ネットワーク運用管理の教科書
ネットワークの運用管理はネットワークエンジニアの基本中の基本。
定例業務、非定例業務はもちろん、トラブル対応についても詳しく説明している1冊。
ネットワークの運用管理をこれから始める方は手元に1冊合って損はないはず。
kindle unlimitedなら無料で読めます。
1冊ですべてわかる ネットワーク運用・保守の基本
2020年7月に出版された、ネットワークの運用管理本としては最新の1冊。
運用と保守にフォーカスして、障害時のための可用性(冗長)設計や、緊急時のメンテナンス用ネットワークの整備について解説している良書。
Amazonレビューも星4点台(2021年1月時点)と高評価。
パケットキャプチャの教科書 (Informatics&IDEA)
インフラエンジニアとして働いていると、少なからず「この通信はどんなものが流れているのか?」調べる機会が出てくるが出るはず。
この本では、通信を調べるために利用するパケットキャプチャの仕組みや方法を全ページカラーと豊富な図を使って説明しています。
これほどわかりやすいパケットキャプチャの本はありません!パケットキャプチャを学ぶのに必至の1冊です。
⑤ネットワークセキュリティ
ネットワークプロトコル入門
エンジニアの方なら普段何気なく使ってる、TCPやIP、HTTPやDNS。
用語としてはわかっているつもりでも、それらの仕組みを理解している人は意外と少ないはず。
ネットワークプロトコル入門の中身は、もともと日経NETWORKで掲載された記事を元に編集されており、イラストや図も豊富でわかりやすい。
これから学ぶ初学者にとってもおすすめの1冊です。
ゼロトラストネットワーク ―境界防御の限界を超えるためのセキュアなシステム設計
技術書の代表的な出版社の一つ、オライリーが提供するゼロトラストネットワークの概説書。
難しいトピックなので、ネットワークについて一通り学んだ中級者向けですが、ゼロトラストについて学べる数少ない良書。
⑥無線LAN(Wi-Fi)
これ1冊で丸わかり 完全図解 無線LAN入門
日経NETWORKで掲載された記事を元に編集された、無線LANについて学べる入門書。
これ1冊で丸わかり 完全図解 無線LAN入門では、先ほど紹介したネットワークプロトコル入門と同様、イラストや図が多く文章もわかりやすいのでさらっと1周できます。
初学者でもすらすら読めておすすめです。
100%ムックシリーズ Wi-Fiがまるごとわかる本 2019
⑦CCNA試験対策
シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集
1300ページに及ぶ詳細かつコンパクトな解説が魅力。
新試験範囲に対応している数少ない1冊です。
各章毎の章末問題と模擬試験2回分付きと問題演習にも十分な問題量。
⑧その他
ネットワークエンジニア入門
ネットワークエンジニアをこれから目指す方にとっては、この上ない1冊。
ネットワークエンジニアとしての適性や働き方、業界、年収について、実例も交えながら、詳しく解説されています。
ネットワークエンジニアについて一通り知りたい方におすすめ。
kindle unlimitedなら無料で読めます。
技術書は高い!節約におすすめしたい2つの方法
8分野・17冊を一気に紹介させていただきました。いかがだったしょうか?
興味のある分野で気になる本があれば是非チェックしてください。
ただ、そもそもこうした技術書って高いですよね。
少しでも安く買いたい気持ちはみんな同じです。
私が実践している技術書の節約方法は2つ。
・kindle unlimited
・honto
kindle unlimited
kindle unlimitedとは、アマゾンが提供する月額980円の電子書籍の読み放題サービスです。
先ほど紹介した17冊のうち、4冊はkindle unlimitedなら全て無料で読むことができます。
技術書ってだいたい1冊2〜3千円しますよね。それが980円で収まります。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。